放置竹林

竹林は日本の里山の原風景に必ずあるもので、風に揺れる竹林の風情は心を和ませ、また、籠やざる、はし、竹ぼうきといった生活資材ばかりでなく、茶道の茶せん・ひしゃく・花生けといった文化材、庭の竹垣・竹矢来と日本文化を彩る「資材」でした。
農家の一角に必ずと言ってよいほど竹林があって、便利な生活用品の材料として、農作業の資材として活躍したものでした。その上、春にはタケノコの収穫があり、どの農家も季節の味わいを楽しんだものです。
それは、正に、サステイナブルな日本文化の象徴的な「資源」の一つだったと言えるでしょう。

しかし、安価で便利なプラスティックが普及するに従って竹製品は需要がすっかり減って、竹林を管理する習慣もなくなってしまい、竹林は荒れ果てた「竹藪(たけやぶ)」となりました。
また、タケノコの中国や東南アジアからの輸入量が増大し、国産タケノコ生産減少が孟宗竹林の放置状態が進み、その生命力故に地下茎が広がって竹林面積を拡大して「放置竹林」と化して、都市生活を脅かす「迷惑樹木」となってしまいました。

合同会社竹取物語の拠点作りのために放置竹林の一部を切り拓いて広場を作りましたが、倒れた枯れ竹が竹林内に折り重なっている状態で踏みこむのも大変な状態でした。

合同会社竹取物語の設立イベントは、放置竹林を切り拓いた広場で開催されました。

★全国に広がる放置竹林

農林水産省によると、全国の森林面積のうち、竹林は16万7000ヘクタール(2017年)で5年の間に5300ヘクタール増えたそうです。これは東京ドーム1134個分に相当します。
現在、さらに増えて17万5千ヘクタール、その勢いは衰えず様々な被害の温床となっています。

全国1位は鹿児島県、2位は福岡県、3位は大分県、4位は山口県、5位は島根県、ほとんどが西日本に放置竹林は集中していますが、温暖な千葉県の放置竹林面積は全国7位、東日本では一番の放置竹林が広がっております。

★放置竹林の問題点

1. 土砂崩れの危険性

竹林は、放置するとどんどん広がっていくという特徴を持っていますが、森林と異なる大きな特徴があります。それは、根を浅くはるという特徴です。
木は根を土中に深く張り雨が降っても土をしっかりと支えますが、竹の根は横に広がり深さは30cmほどしかありません。そのため、雨が降ると竹林ごと斜面を滑り落ちる危険があります。
また、竹の生命力旺盛で、周囲の樹木を圧迫して枯らしてしまうのも問題点になっています。

2. 倒れる危険性

枯れ竹が重なり合う放置竹林には日が差さず、枯れ竹や根が腐って倒れるリスクがあります。
通学路や電線に倒れ掛かる枯れ竹は、生活被害を起こす温床ですが、現在、その状態のままに放置されている例が少なくありません。
最近では、線状降水帯の水害が問題になっていますが、放置竹林は常に危険な状態にあります。

3. タケノコを狙う動物が獣害の温床

野生鳥獣の住処となり、農作物への被害に繋がる可能性があります。放置竹林が獣害を引き起こす原因としては、イノシシ、ニホンザルなどの野生動物の隠れ場所や餌場になります。

千葉県ではイノシシによる農作物被害が多発しており、放置されたモウソウチクなどの竹林がイノシシの隠れ場所・餌場になり、イノシシの生息域拡大の要因のひとつになっている可能性があります。